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2025年 新年のご挨拶
2025-01-07
新年のご挨拶
社会福祉法人麦の芽福祉会理事長・内田芳夫
 明けましておめでとうございます。
 新しい年を迎え皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申しあげます。

 ロシアによるウクライナ侵略から既に1千日以上が経過し戦争は長期化し他国を巻き込みながら停戦の兆しが見えません。イスラエルは、パレスチナ・ガザ地区での軍事作戦を強化しジェノサイドの状況が続いています。戦禍はレバノン、イランに憎しみと報復の連鎖が拡がっています。「戦争の反対語は対話」と元イスラエル兵のダニーさんは語っていますが、対話しようと声を上げ続け戦争をストップさせましょう。核兵器使用も危ぶまれている中で、昨年のノーベル平和賞を日本被団協が受賞されました。日本被団協のノーベル平和賞を心から喜びたいと思います。「核兵器は人類と共存できない」のは明らかですが、唯一の被爆国である日本政府はそうしたことを国際社会に訴え「核兵器の世界」を主導する責任があります。政府は米国の「核抑止力」に固執する立場から核禁止条約への参加を拒否していますが、直ちに核禁止条約への参加を決断すべきです。

 日本被団協のノーベル平和賞も、不妊手術を強制された被害者・原告全面勝訴も、さらに、死刑囚が確定した袴田巌さんの再審で最高裁での無罪判決に共通することは、いずれも半世紀にわたり当事者・関係者が偏見や差別と闘い想像を絶する苦難の歴史があったということです。苦難の歴史を胸に刻み忘却することなく永く語り繋いでいきましょう。

 昨年の総選挙で政局は大きく変わりました。自公政権は少数与党となり、特に改憲勢力が憲法発議に必要な3分の2以上の議席を占める状況も瓦解し、「数の力」でこれまでのように審議を軽視して横暴な国会運営ができなくなりました。石破首相は憲法9条に自衛隊を明記することや3文書の推進を明言していますが、今やるべきことは軍事的対応の強化ではなく、東アジアを戦争の心配のない地域にしていくために憲法9条を生かした平和外交です。国民の暮らしを破壊してきた社会保障、労働規制、税制等をめぐる新自由主義的的政策の転換、大軍拡と憲法破壊を進める政治にストップをかける動きを進展させましょう。そして、日常生活の中でも「小さな灯」をともす行動をとることが未来を新たに切り開きます。

 バター(社会保障)よりも大砲(軍事)を優先する国でいいのでしょか。沖縄・南西諸島では長距離ミサイルが配備され軍事要塞化が進んでいます。軍備が増強されれば社会保障は抑制されます。

 麦の芽福祉会は今年(2025年)、43年目を迎え厳しい社会福祉情勢の中、節目の年でもあります。7月には第27回参議院選挙があり、11月には日本で初の開催となる「東京2025デフリンピック」があり、12月4日〜5日に久留米で「第3回・全国福祉経営研究交流会」が開催されます。今年の干支は乙巳(きのみ)ですが、脱皮を繰り返し成長することからその生命力の強さを連想させます。麦の芽の理念や課題を“きょうどう”の力で承継していきましょう。平和な国際社会でありますように、一刻も早く戦争の終結を祈りながら新年のご挨拶といたします。

2025年元旦
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